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名古屋を拠点とする設計事務所です。
容赦ない暑さが続く毎日ですが
皆様お元気にお過ごしでしょうか。

今夏もお盆休みとして8/12〜19の一週間、お休みをいただきました。

業務から完全に離れた1週間、といってもついつい建築見学になってしまうのは、我々の業種の性なのでしょう。

けれども、夏休みは子供達にとっても楽しみの時間。

子供が子供らしく楽しめ、さらに大人が「親」ではなく「大人」として楽しめる場所をテーマにセレクトすると、対象が非常に限定されてくるのが現実。いつも頭を悩ませるところです。

ということで、今年は10年振りに軽井沢に足を運びました。
セゾン

セゾン現代美術館

彫刻と自然とが混在する雰囲気が良いのですが、類似の庭園と一線を画すのが、この庭園全体の計画の良さです。

彫刻家若林奮氏の計画によるもので、土地の傾斜の具合と木々が創りだす空間が非常に魅力的に計画されています。

(若林氏の作品は様々なスケールのものがあり、中には手のひらサイズの小さい作品もあります。以前鎌倉の近代美術館で個展を拝見して以来、その作品が脳裏に焼き付いています・・・)

10年ぶりの訪問でしたが、変わらず美しく手入れされています。傾斜した芝生は立入禁止になったようで残念。



ちょっとおもしろいゴミ箱。
アトラクション的要素があると、ゴミ捨て一つも楽しくなります。

おにおしだし

鬼押出し
コルビュジエの弟子である吉坂隆正氏の作品。
生駒山遊園地の建物しかり、アテネフランセしかりですが、非常にアグレッシブに形態や色彩の操作に挑む吉坂氏の建物、私は好きです。
(日陰がなく、暑いのには参りました・・・)

テラス蓼科

テラス蓼科
トヨタ系企業の保養所として計画された施設です。

ホテルのダイニングもしくはそれ以上にウェイターが配置され、目が行き届いているのも去ることながら

背もたれが大きく、パーティションとしても機能するシート
十分に大きな空間として、小さなことが気にならない空間構成
天井にはしっかり吸音板が施工されている

等々の工夫により
大人の寛ぎと子供の存在が共有できる場として、とてもうまく計画されています。

またコテージについては、安っぽくならないローコストの工夫が随所に見られ、また現在計画させていただいている住宅とスケールが近いこともあって、大変勉強になりました。

(ご紹介いただきましたMさま、ありがとうございました。)

さて、来週からはI様邸のコスト調整がスタートします。
色々な意味で暑い(熱い)日々が続きそうですが、今回の見学の成果も反映しつつ、良い方向に進められる様頑張ってゆきたいと思います。

皆様も、よい夏をお過ごしください。
今日は、ITA-house 完成検査でした。

名古屋市内のマンションを購入されたクライアントより、6月末、リフォームのご依頼をいただきました。駅まで1分!市街中心部まで電車で15分といった利便性と下町風情が残る周辺環境、なかなかの好立地です。

我々の事務所の雰囲気を見て、設計を任せて下さいました。
仕事を持つご夫婦お二人の住まいです。

・お持ちの家具をうまく活かした計画とすること
・ご予算

を当初、ご要望として伺いましたが、ヒヤリングの中で

・平日の夜、料理や家事をしながら語らうこと
・休日はゆったりビデオ鑑賞を楽しむこと

の2点はプランニングの要となるであろうことがわかり
以上の4点を大切に

既存の設備や仕上等をいかに活かしながら
広がり感をつくりだせるか、短期間で熟慮しました。

かなりのメリハリをつけたコストバランスを
クライアントにご理解いただけたこと、
そして施工のHさんの対応の良さにより

いいすまいに仕上がったのではないかと思います。

日々お忙しいIさま
お引っ越し後も片付けに費やす時間もままならず、
完成写真については後日撮影させていただく事に。

お持ちの家具とフローリングや造作家具の色合いが
程よく全体に調和しています。
(後日完成写真にてアップ出来ればと思います。)

美味しいアイスクリームをいただきながら
ほのぼのとしたIさまご夫妻の様子を前にし、
温かい生活の舞台づくりに携わらせていただいたことを
大変嬉しく思いました。

今後ともよろしくお願いします!
日々が楽しくなると思って手に入れたのに
意外と制約に感じてしまうもの。何でしょう?

人によって答えはいろいろでしょうけど、
「家具」があてはまる方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。

料理をするには、キッチンが必要だ。
その通りです。

食事をするには、テーブルが必要だ。
その通りです。

勉強するには、机が必要だ。
その通り、だけど、テーブルを共用できる方もいらっしゃいます。

リビングでくつろぐには、ソファが必要だ。
その通り、とは言えないかもしれないです。

などなど・・・

必要だと身をもって感じたからではなく、
必要と「思われる」ものを先回りして持ちすぎる傾向が
我々にはあるのではないでしょうか。

手に入れるために費やしたコストもさることながら、
その置き場所や手入れ、果ては処分について
時間や気持ちを費やさざるをえない・・・

がらんどうの部屋でしばらく過ごしてみて
自分にとって
日々の生活を本当に豊かにしてくれるものを見極める

そんな時間を持てたら
意外な発見があるかもしれません。

引越業者さんのトラックを見ながら
ふとそんな事を考えました。


初夏のさわやかな陽気が続きますね。
皆様はゴールデンウィークをいかが過ごされましたか?

私は久しぶりに長いお休みをいただいて
3年ぶりに青森を旅してきました。

ふと考えたのが
旅の満足度って何によって決まるのか、という事。

実際の移動距離によらず
「遠くへ来たなぁ」と感じる風景や場との出会い
日常からの乖離度合い

で、満足感が高まってゆくのではないでしょうか。

 見た事もない美しい景色を目の前にした時
 地元の人の方言を聞いた時
 初めての料理を食す時・・・などなど

そして意外と重要なのが「森の風景」かな、と思っています。

東京・名古屋・大阪近辺でみられる森(スギやヒノキなど)
とブナやシラカバの森って全然雰囲気が違うんです。

北の森は、瑞々しさに透明感があると言うか
どんなに木々の数が多くても
緑の美しさの内に
はかなさをたずさえているという印象を受けます。

これが三重や高知の方になってくると
生命力あふれる緑の濃さは
なんだかこちらを飲み込んでしまいそうな迫力です。

同じ緯度でもヨーロッパに行くと緑の色合いが違うし
例えば松でも巨大だったり、同じ樹種でも趣きは全く違う。

森の姿は押し付けがましくなく、しかし確実に
その土地の印象を決めているのではないかと思います。

・・・・・・

その他にも青森は「遠くに来たなぁ」と感じられるポイントが満載。

白神山地の西側に十二湖という湖群があり
そのうちの1つ「青池」がとびきり美しいのです。
「心洗われる」という表現がありますけれど
確かに自分の心臓のあたりの曇りを
水で洗い流された様な感覚を抱きました。

また秘湯という名にふさわしい
山奥の古い木造の温泉旅館が沢山あるんですね。
そしてそのどれもがなかなかの雰囲気。

中には源泉の真上に浴槽があり、湯船の底板(ヒバ)の隙間から
熱い湯が湧き出ているところもあります。

しかも、大都市周辺で必須の大渋滞・大行列がほとんどなく
非常にスムーズに事が運んでしまう快適さ。

おまけに青森滞在中、
子供の花粉症(肌のかゆみと目やに、涙)が格段に良くなったことには驚きました。要因は温泉か、食べ物か、空気か、それとも・・・
環境が健康に与える影響の重大さを改めて感じる旅でもありました。

名古屋からは、実際の距離も遠いので
なかなか足を運べませんが、
再び訪れたいという思いを強くした旅でした。
こんなにも複雑な気持ちで桜をみたのは初めてではないか・・・

4月頭に簡易的な検査で悪性リンパ腫の可能性が高いとの診断を受けました。切開して腫瘍を取り精密検査を受けた結果、ガン性のものではなくとりあえず一安心。

この2週間は、本当に複雑な気持ちでした。
ガンは生活習慣病と言われています。悪い生活習慣なんて、誰にだって一つや二つは思い出されるのではないでしょうか。ドキっとしました。

「死」ということばが身近に迫ってみて初めて得られた気づきについて、備忘録としてここに記録しておこうと思います。

1つ目は時間の大切さ。
明日がどうなるのかなんて、誰にだってわからない。健康な人も若い人も、お年を召した人も、誰にだって時間はかけがえのないものなのだ、ということをつくづく感じました。

2つ目は、自分が生きる意義。
「死」ということばが身近に迫ってみて初めて、自分が人との関係によってこの世につなぎとめられているのだなぁ、と実感しました。
人や社会(とは言わないまでも、多くの方々)にとって、本当に役立ち、ためになれるような活動をしていきたい、と心に刻みました。

友人のバックアップも本当に心強かったです。

状況を率直に話したところ、「まかせとけ」と言ってくれた建築家Tさん。自身にもしっかりした作風がありながら、どんな手伝いでも是非にと言ってくれたTさんの大きさと温かい気持ちを忘れないからね!

また、プロデューサKさん、温かい心と冷静な頭でもってすばやいフォローをありがとうございました。Iさま邸プロジェクトをはじめ、今後ともよろしくお願いします!

こうして我がアトリエは現在、
感謝の気持ちと安堵、そして個人輸入した抗がん漢方薬が山積みに・・・(苦笑)

皆様も健康にはお気を付けて
心地良い毎日をお過ごしくださいね。
今月から友人とシェアで、ある住宅を借りています。

世界的に有名な建築家の安藤忠雄氏
(現在では環境保護活動等、第一線の文化人として
建築以外にも様々な活動をされていらっしゃいます)
彼がまだ若かりしころ設計された住宅です。

友人がその住宅を借りたというので、見学させてもらいました。
30年も前に建てられたその住宅に、言葉にならない程の衝撃を受けてしまい
シェアさせてもらうことになったのです。

鉄筋コンクリート打ち放しの住宅。
外観・内観の仕上として打ち放しの建築物は多いのですが
そのような建築とは一線を画すものでした。

壁はコンクリートのみ。
仕上なし
断熱なし(極寒です)
屋上のパラペット(外周部の立ち上がり)上面に防水なし
(これは、見方によっては”雨漏りしてもよい”という考え方と捉えられかねないのです。友人は、コンクリートを密実に打てば防水は必要ないという考え方もあると言っていましたが、一般的な施工精度ではちょっと難しいのではないかな・・・と)
・・・非常に衝撃でした。

それらはもちろん設計上の不注意なのではなく、
「暖かく、涼しく、雨が漏らず、快適な家」
という住宅に対する暗黙の機能すらも覆し
「生活する」という事を住まい手に問い直している訳です。

築後30年の歴史は感じるけれども
古びた印象はまったく与えない点なども含め、

「家」というよりは「地形」とでも呼んだ方がふさわしい構築物でした。

住宅の設計はクライアントとの共同作業です。
どんなに建築としてすばらしそうな住宅を設計したとしても
それがクライアントに愛されないものであれば
まったく無意味と私は考えます。

アバンギャルドさと
クライアントが30年以上も大切に使い続ける愛着
そして美しい空間デザイン
これらが両立している安藤氏の力量

そしてこの決して一般的でない建築を
受け入れ、30年以上住みこなして来た
クライアントの度量

ここには建築家とクライアントに
相当な信頼関係が成り立っていたのだろうと
想像できます。

現れ出ている建築自体は
私が目指すすまいの形とは遠いものでしたが

スタイルではなく、一般的な指標でもなく
クライアントにとって本当に必要なものを一つ一つ問うこと

を心がけて打合せ・設計をしている私自身のスタンスは
間違ってなかったのだと確信が持てたと同時に

建築の可能性の広がりを見せられ、背中を押された様な気分になりました。

さてさて
その日家に戻ると4歳の息子が一言
「おそとのおうち、また行こうね。」

「おそとのおうち」・・・うーん、確かに、
室内も「おそと」みたいではあった。
子どもの感性って素直だなぁとしみじみ感じたのでありました。
愛・地球博の閉幕からもうすぐ1年半・・・
会場跡地が万博記念公園(モリコロパーク)として整備されつつあり、一部が開放されています。

混雑も落ちついた昨日、子どもらを連れて行ってきました。

仙田満氏設計による愛知児童総合センターは遊びの宝庫!
独身時代には魅力を感じなかったこの建物も
子どもが楽しそうにはしゃぐ姿を見ていると
いい建物だなぁ、、、と。

立場が変わると視点も大きく変化する事を
またまた実感してしまいました。

帰り道のリニモ
先頭の席にてガラス一面の夕暮れを満喫していると
(無人運転なので、先頭車両の見晴らしがすごく良いんです)
途中から乗り込んで来た友人とハチ合わせ。

偶然に友人と会ってしまうなんて
私も名古屋に馴染んで来たのかなぁという感じでした。

彼女は私と同様、名古屋在住ではありますが他の地域出身。
日本画家で、芸大時代の友人です。
名古屋に流れ着いた私に、彼女が教えてくれた事は

噂同様、名古屋の人付き合いは地域性が色濃いという事でした。

「名古屋学」なんて本にも一通り目を通していましたので
なんとなくわかったつもりではいましたけど
机上と実践では、違うんですね。

彼女から教えてもらったことでこれまでに一番役に立った事は

「○さんが△って言っていた」

「私は△だと思う」
とが同じ意味の場合があることです。

特に彼女や私のような「つくり手」の人間関係の中では
「○さんが△って言っていた」
というのは、
「しかし私は△ではなく■だと思う」
の枕詞として使う場合が多い気がします。
だから余計に特徴的だと感じるのかもしれません。

自分の意見を自分のものと主張せずに
人の意見として間接的に伝えてみる、というのは
「奥ゆかしさ」の様なものと絡んでいるのでしょうか・・・

んんん、まだまだ名古屋人への道のりは長い、ですね(苦笑)

「○○人」といったマクロな視点では
人とのおつきあいはもちろん語り尽くせないのですが
知っておいた方がスムーズな時もあるな、と感じています。
例年は正月用の花を活けていましたが
今年は南天をお正月の飾りにしました。

年末岐阜を旅した際に道端で売られていた大束の枝を分け
アトリエのあちこちに飾って楽しんでいます。

赤と緑が華やかでもあり、
古くからの語呂合わせ「難を転ずる」ことも
今年の私のテーマ「出会いに実りをもって応える」ことの1つ
と考えられもすることからぴったりだと思っています。

活けている花瓶
北欧デザインの好きな方にとっては馴染みの深い
アルヴァ・アアルトのデザイン。

美しい形のこの花瓶は、意外にも花を合わせるのが難しく
特にプレゼントとしていただくような花束の類いは大抵
驚くほど合わないのです。

使いこなせないまま、この花瓶とはサヨナラかなぁ・・・
などと思い始めていたある日、
息子が帰り道に道端で引っこ抜いてきた雑草を入れてみました。

ネコジャラシやら木の枝やら蔦の葉やら。
飼いならされてない伸び伸びとした雑草たちが
この花瓶という居場所を得てしっくりと部屋に馴染むさまに

アアルトの建築作品を思い浮かべ、納得でした。

作り手の思考や嗜好は
こんなちいさなプロダクトにも反映されているのです、きっと。


あけましておめでとうございます。

様々な出会いの一つ一つに
実りをもって応えることが出来るよう
日々真剣に歩んでゆきたいと思います。

今年もよろしくおねがいいたします。

2007.1.1 塩田有紀
アトリエで詰めて仕事をするとき、夜ほっと一息ついた時、特に寒くなってくると暖かい飲み物が欲しくなってきます。

私が季節を問わずよく作る飲み物が生姜シロップです。炭酸(ペリエならなお良い)で割るとジンジャーエール、お湯で割るとしょうが湯になります。

先日「家庭画報の生姜シロップ」なるものをいただき、これで作ったしょうが湯がとっても美味!あっと言う間になくなってしまったので、早速いつも作る生姜シロップを黒糖でつくってみました。

生姜:水:砂糖(今回は黒糖)=1:2:2


水と砂糖を10分くらい煮詰めてシロップ状にし、そこにみじん切りの生姜を加えて10〜20分くらい煮れば出来上がりです。好みでレモングラスやレモン、ゆずなどと唐辛子などを入れてアレンジします。

(生姜のみじん切り、フードプロセッサがない頃は、さながら修行でございました・・・)

黒糖で作ると、こくがある割に甘みがあっさりしています。
粗製糖に比べて糖の割合が低いのか、
私にはやや甘さが物足りなく、粗製糖を加えて調整しました。

紅茶に入れたりホットミルクに入れたり、色々使いでがありそうです。
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